2022/09/14 更新:CLASデータをZED-F9Pをウォームスタートしてから計測したデータに入れ替えた。
ZED-F9P : FWVER=HPG 1.32
NEO-D9C : FWVER=QZS 1.01
1. 24時間観測データ(受信アンテナ位置:神奈川県茅ケ崎市 南側の屋根上)
測位モード |
2drms(水平) |
2drms(垂直) |
平均値の誤差(水平) 注1) |
平均値の誤差(垂直) 注1) |
CLAS |
4.57cm |
8.24cm |
0.717cm |
10.09cm |
RTK 注2) |
2.26cm |
4.13cm |
8.76cm 注3) |
4.70cm 注3) |
SLAS |
1.18m |
1.60m |
0.57m |
1.09m |
注1)24時間平均値の誤差算出に用いた自己座標には1cm程度の誤差を含んでいる可能性があります
注2)RTK測位には RTK2go.com に登録されたベース・ステーションを使用(距離 約5.9km)
注3)RTK測位の平均値の誤差にはベース・ステーションのアンテナ座標の設定誤差を含んでいます
CLAS測位の誤差グラフ(24時間観測:平均値基準)
XY軌跡プロット(24時間観測:平均値基準)
2. CLAS RTK fix 応答時間
NEO-D9CのメッセージをZED-F9Pに与えると40秒程度でFloat RTKになり、70秒前後でRTK fixする。
NEO-D9Cのメッセージ切断後は約57秒でDGPSに戻るが、約3分以内に再接続すると6秒程度でRTKに復帰する。
ZED-F9Pにウォーム・スタートコマンドを送信してからCLAS RTK測位するまでの時間のバラツキ(200回試行)。
多くの場合2分以内でRTKモードになるが、タイミングによっては10分以上を要する場合がある。
5分以上待ってもRTK fixしない場合は再度ZED-F9Pにウォーム・スタートコマンドを送信すると良いようだ。
NEO-D9Cにコマンドを送信してからAB両チャンネルを受信するまでには約1分20秒程度を要します。
3. 使用した機器
NEO-D9Cボード:みちびき CLAS L6受信用 NEO-D9C開発ボード D9CX1 (ジオセンス)
ZED-F9Pボード:ZED-F9P RTK GNSS receiver board with SMA Base or Rover (gnss oem)
GPSアンテナ: GN-GGB0710 (TOPGNSS)
ソフトウエア:NMEA Monitor for windows, MEA statistics utility, QZSSL6 Monitor
自己の座標を求めたアプリケーションとデータ
RTKLIB: An Open Source Program Package for GNSS Positioning
電子基準点データ提供サービス (ユーザー登録が必要:無料)
「観測データ取得(ログイン)」で目的の基準点の観測データを取得。
注)「各種データ(観測データ以外のデータや情報)」→「日々の座標値」で使用する電子基準点の最新座標を
取得してRTKLIBの基準点座標を更新しておく必要がある。
機器の接続
NMEA Monitor for windows のオプション設定
「出力ポート」にNEO-D9Cを指定します(「UBX」,「Cmd」チェックボックスをチェックすること)。
QZSSL6 Monitor経由の場合はTCPで接続します(QZSSL6 Monitorの設定:Input=Serial, Output=TCP)。
4. メモ
1) みちびきウェブサイト: センチメータ級測位補強サービス
2) QZSS CLASは無料でRTK測位が出来る測位補強サービスで通信費などのランニングコストが不要。
但し精度は有料RTKサービスには及ばない。
3) QZSS CLASは測量用には適さないが山間部などのネットワーク環境が無い場所でも利用できる。
4) RTK2go等の無料サービスではベースのアンテナ座標がメンテナンスされてない場合が多いので要注意。
NMEA monitor for WindowsではRTCMメッセージのベースアンテナ座標の置換が可能です。
5) 補正データを正常に受信していてもZED-F9Pが時々35秒間程度 Float RTK になることがある。
6) UBXメッセージ NAV-PVT, NAV-TIMEGPS, RXM-SFRBX をNEO-D9Cに送信しても有意な変化は無いようだ。
7) ZED-F9PのファームウェアバージョンはHPG 1.30以降が必要(レポート時点ではHPG 1.32が最新)。
ZED-F9P module で「Documentation & resources」をクリックし「Firmware Update」を表示してDL。
ファームウェアのアップデートには u-center (For M9 products and below) が必要。
8) geortk また はRTK2go で KOGANEI_L6D がサービス中ならZED-F9PボードのみでQZSS CLASを体験できます。
NMEA monitor for Windowsの「RTCM source」フォームの設定
「Source」で「Ntrip」を選択
「Send to GPS」グループボックス内の「UBX」をチェック
メッセージモニタ部の「UBX」をチェック
geortk に接続する場合の「Ntrip」グループボックスの設定
Ntrip Caster Host=geortk.jp, Port=2101, Mountpoint=KOGANEI_L6D
RTK2go に接続する場合の「Ntrip」グループボックスの設定
Ntrip Caster Host=RTK2go.com, Port=2101, UserID=自分のE-Mailアドレス, Mountpoint=KOGANEI_L6D
トグルスイッチをOnにしてUBXメッセージ「u0273」が受信できればOK
追記)2022/12中旬からサービス停止になっているようです。
5. QZSS CLAS用 アンテナ レポート
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